ライブレポート

10年ぶりマドンナ来日公演を観る!

md2016

マドンナという存在は不思議だ。
歌もダンスも特段上手いわけではないし、音楽的才能があるわけでもない。
しかし、紛れもなく彼女は現代のポップ・アイコンとして数十年に渡ってカリスマ性を維持している唯一無二の存在である。今が旬のビヨンセでもGAGAでもテイラーでも敵わない無敵感。

その理由を、圧倒されるほどの世界観の構築をもって実証したステージだった。
まるで、崇高なミュージカルや、サーカスを観ているかのような超絶ステージング。
音楽ライヴの領域を遥かに超越した圧巻のエンターテインメント。
ここまでのクオリティでないとマドンナのショーとして意味を成さない、このクオリティだからこそ彼女はステージに立つに相応しいのだ、というセルフ・プロデュース能力の高さすら感じさせる。もはや、流石としか言い様がない。

最新作「レベルハート」の選曲から、「ライク・ア・バージン」「マテリアル・ガール」往年のヒット曲まで網羅した贅沢なセットリスト。そのほとんどが、今回のステージのためにアレンジされていて、古さと懐かしさすら感じさせない新鮮味があった。
個人的には「MUSIC」のジャズ・アレンジにうなされ、今日まで今ツアーのセットリストにはあまり選ばれていなかった「Vogue」が聴けたのが嬉しかった。

俺は以前から還暦のマドンナが歌う「ライク・ア・バージン」に興味があった。
今はまだ還暦には少し早いが(57歳)、歌詞の内容からして還暦間近の女性が歌うにはちょっと無理があるだろう、どういったパフォーマンスをするのだろうと・・・今回のツアーでは、大半が派手な映像がふんだんに用いられたが、「ライク・ア・バージン」の時だけは、彼女が生身の身体を駆使し、ステージ上で踊りまくるシンプルな演出で歌い上げた。年齢という概念にとらわれない力強さと美しさがあった。何の違和感も感じさえしなかった。ここにマドンナがマドンナたる真の由縁を感じた。
10年ぶりの来日だった・・・次はいつ?ということになるが、そう遠くない将来また来て欲しい。

 

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

最新情報をお届けします

Twitter でROCKinNET.comをフォローしよう!

ピックアップ記事

  1. 今年2018年のサマソニがガラガラの異常事態!~その原因を探ってみた
  2. 実は失敗していたサザンの紅白!ユーミンとの奇跡の共演に助けられ拍手喝采!
  3. 【全曲レビュー】桑田佳祐の最新作『がらくた』が凄過ぎた!大衆音楽ここに極まり!
  4. 初の武道館公演を控えるマイヘア椎木ってナゼ好かれるのか?彼の魅力を挙げてみる!
  5. 【ライヴレポ】ワンオク初の東京ドーム公演で見た“世界基準のバンドの風格”に圧倒さ…

関連記事

  1. ライブレポート

    COUNTDOWN JAPAN 1920 (2019/12/31)ライブレポート

    大晦日2019年のロック納めに相応しい充実のラインナップ年末最…

  2. ライブレポート

    RADWIMPS「Human Bloom Tour2017」さいたま公演を観る

    既に20代を中心に大きな成功を収めていた彼らが『君の名は。』の主題…

  3. ライブレポート

    ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2017 3日目ライヴレポート

    先週に引き続き後半週に突入! ロッキンも13年連続と長く来てい…

  4. ライブレポート

    ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2017 4日目ライヴレポート

    いよいよ今年のロッキンも最終日である。後半週は、天気予報では雨…

  5. ライブレポート

    ROCK IN JAPAN 2015 vol.2

    ではでは、恒例の一行ライブレポートぶっぱなします!…

  6. ライブレポート

    【VIVA LA ROCK特別編】スガシカオ20周年を祝う

    昨日までのVIVA LA ROCKの延長戦だ!スガシカオな…

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

人気の記事

  1. 映画

    『いぬやしき』興行失敗で垣間見える漫画原作映画の限界~世間はエグさに飽きている
  2. 邦楽

    安室奈美恵の引退への想い~安室という現象が現代の日本女性像を変えた~
  3. 映画

    何故「バルス現象」は起きるのか?その理由は日本特有の国民性と風土にあった!
  4. 映画レビュー

    『アベンジャーズ/エンドゲーム』 映画史に残る大傑作にして娯楽の頂点だ!
  5. 映画

    是枝監督『万引き家族』がカンヌで最高賞!カンヌにおける日本映画の歴史と、今回の受…
PAGE TOP