映画レビュー

【映画鑑賞日記】バイオハザード:ザ・ファイナル

biohazardlast

この映画の存在意義は2つあると思っています。

まずは、ゾンビ映画の進化と向上!
古典『ナイト・オブ・リヴィング・ザ・デッド』でゾンビは歩くものと定義され、それをひたすら守り続けたハリウッドが、2002年のダニー・ ボイル監督作の『28日後…』によってゾンビが走ることが許されました。同時期公開の本作により、ゾンビがダッシュで追いかけてくる鬼ごっこ要素が加わり、ゾンビ映画の迫力と恐怖が進化したことは画期的だったと思います。

そして、女性戦士の描写の定着!
過去に『G.I.ジェーン』(1997)でデミ・ムーアが女性戦闘員を演じても、ハリウッドの女優像を破ったと大きな話題になりましたが、同様に、このシリーズで描かれたミラ・ジョボビッチが、傷だらけになってゾンビと戦う姿は、当時、新鮮だったのを覚えています。女優が戦う映画というのも、このバイオの成功によって定着したかなという印象も受けます。
ミラ自身が演技派でないにも関わらず、リュック・ベンソン監督によって世界的知名度を得たことで、こういうアクション女優として起用しやすかったのかなと思いますが。シリーズ通して、全く老けなかったミラの美貌には脱帽でした。

とにかく、日本産ゲーム原作ということもあり、4作目では中島美嘉が出演したり、今作もローラが出演したりと、日本に造詣が深い映画でした。(しかし、今回のローラの脇中の脇役扱いは、もう少しどうにかならなかったのでしょうか?笑)
日本産のコンテンツが世界でここまで成功したという点は今でもレアで(ファイナル・ファンタジーは映画史に残る大惨敗ですし)特筆すべきことだと思います。日本のアイディアが世界で通用する証明にもなったという意味で。

同時多発テロからイラク戦争勃発までのギスギスした世界の不穏な時代性の中、この映画は必然性を以て誕生した気がします。その頃の世界の感情を視覚的に表していた気がします。その世界の終末描写は流石のものです。
7作もコンスタントにやっていれば飽きられるものですが、新鮮味を失ってもそれだけ支持されヒットしてきた同シリーズって凄いなと思いました。

 

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

最新情報をお届けします

Twitter でROCKinNET.comをフォローしよう!

ピックアップ記事

  1. 半漁人の勝利!90回目のオスカー発表!
  2. 13年ぶりロッキンに出演したサザンが凄かった!ROCK IN JAPAN史上最大…
  3. パリピが日常悩んでる嫌なことって何?ストレス溜めない極意がULTRA JAPAN…
  4. 実写化史上最も成功していると言って過言でない『美女と野獣』に感動する
  5. 2017年 勝手に選ぶベスト洋楽 TOP10

関連記事

  1. 映画レビュー

    『インクレディブル・ファミリー』14年ぶりの続編でも衰えぬ娯楽性と2010年代に通じる#metoo精…

    前作が14年前だというから嫌になる。しかも、ついこの前感があるから…

  2. 映画レビュー

    『レッド・スパロウ』で初ヌードを見せたジェニファー・ローレンスの女優魂に圧倒される!

    時代の寵児であるジェニファー・ローレンスが果敢にもキャリア初と…

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

人気の記事

[PR]
  1. 邦楽

    安室奈美恵の引退への想い~安室という現象が現代の日本女性像を変えた~
  2. ハリウッド

    【ヒットの勝算はネット戦略にあり?】恐怖のピエロ映画『IT』が公開第三週で興収首…
  3. ライブレポート

    【速報レポ】My Hair is Badの初武道館公演を観る!椎木が提示した正し…
  4. ハリウッド

    『マイティー・ソー バトルロイヤル』を楽しむための豆知識をちょこっとだけ紹介!
  5. 音楽

    【FUJI ROCK直前特集 Part.2】音楽に政治を持ち込むのは是か?非か?…
PAGE TOP