音楽

アリアナ慈善LIVE「One Love Manchester」を観て感じたこと

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アリアナ・グランデのコンサート会場で起こったテロへの犠牲者のための慈善ライヴが、日本時間5日未明にマンチェスターで行われた。約1000万英ポンド(約14億円)が寄付金として集まったという。
BBCなどの生中継でその様子が全世界に一斉配信されたわけだが、ネットを介して世界が同一のライヴを家に居ながら共有する時代だ。(思えば、自身のライヴを世界同時ネット配信を最初にやったのはU2だった)実際にライヴ会場にいる観客たちの熱量も物凄かったが、それを何千万人が観ている(だろう)と思うと、その圧倒数から成る一体感に驚愕する。思想も宗教も異なる多くの人間をひとつにする音楽に魅了された日だった。

ファレル・ウィリアムスは「Get Lucky」を披露した後に、マイリー・サイラスと「HAPPY」で共演した。神妙になるだけでは追悼にならないと言わんばかりの明るさ・前向きさであった。
ファーギー無しで再始動したBEPは「Where Is The Love?」をアリアナと披露する。このグループが一貫して発信してきたメッセージが“LOVE”である。音楽の現場でこういうテロが起きる時代、彼らの音楽の必要性をひしひしと感じた。
Little Mixや、1Dのナイル、ケイティ・ペリーなどの第一線で活躍するアーティストが登場する中、遂にアリアナが歌声を披露する。「The Way」など代表曲を歌った後に、登場したのはジャスティン・ビーバーだった。会場から、この日一番の歓声が湧き上がる。ジャスティンは会場に何度も「LOVE!LOVE!」とレスポンスさせ「愛情は常に勝つんだろ?」「テロには憎しみでなく愛で対抗したい」と涙ながらにスピーチし、「Love Yourself」など歌う。音楽シーンにカンバックし、再評価され久しいが、感傷的なのに真の通った歌声に、現代の無二のスター性を感じる。

再びアリアナが登場し、大ヒット曲「Love Me Harder」を歌うと、ポール・マッカートニー、チェイン・スモーカーズ、チャンス・ザ・ラッパーなど多くのアーティストが「I satand with Manchester」と宣言した動画が流れると会場は共鳴を示すように歓声を上げる。特にショーン・メンデスが登場した時の黄色い声援が凄い。「Manchester!Manchester!」と会場からコールが起こる。

そして、コールド・プレイが登場。「Viva La Vida」など披露した後に、ステージにリアム・ギャラガーがサプライズ登場し「Rock n Roll Star」「Live Forever」等を披露する。
その他、アリアナとコールド・プレイで「Don’t Look Back In Anger」を。会場も大熱唱。先日、多くの人がテロ現場に慰問に訪れた際、自然と同曲の大合唱が起きたことも話題だったが、この楽曲が如何に英国民歌であることの証明である。その光景は思わず感涙するほどのものに値する。

最後にアリアナは『オズの魔法使い』の「Somewhere Over The Rainbow」を熱唱して、しっとりとライヴは幕を閉じた。今回のテロの犠牲者と、その家族の想いが“虹の向こうの空高くに”届くように、涙を流しながら歌う彼女は美しかった。

ヨーロッパ現地のテロへの警戒は相当に強いらしく、音楽フェスをはじめ様々なイベントが開催を危ぶまれている状況にあるという。無責任に音楽の力は強いなど言える立場にないし、そういう絵空事を言ってテロが解決できる時代でもなくなってきていると思う。暴力行為を前に音楽は無力である。いくら音楽が人の心を動かすものであっても、その点で考えればテロ以上に、人の思想や決意や正義心を鼓舞するものであっても、両者が対峙すれば暴力の方が上まる。しかし、この日のライヴの参加者5万人の大半はテロが起こったライヴに参加してた人だったという。彼らは屈しない。アリアナを愛してるから? 音楽が好きだから? それ以上の、人として暴力行為に反する強い意志を感じた。やはり音楽の影響力は強い。

(文・ROCKinNET.com)
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