ライブレポート

FUJI ROCK FESTIVAL ’18で日本のフェス文化は一つの高みに到達した

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2018年7月下旬。酷暑が警戒される異様な夏。連日35℃を優に超える暑さ厳しい日々が続いていたが、フジロック開催2日前になって台風12号が発生した。日本の夏の風物詩である隅田川花火大会の開催が心配される声が多くツイッターに飛び交うが、同時に話題の量で言えばフジロックが肩を並べていた。それだけフジロックが日本のカルチャーに根付いた証でもあると感じた。隅田川は延期となったがフジロックは事前報告の通りのスケジュールで開催される。花火は忙しくないが、ボブ・ディランは忙しいからね(笑)

実は初フジロックで、格好もサマソニ行くような軽装で行ってしまったのだが、会場に到着早々に早速に大雨、「さっきまであんなに晴れてたじゃねえか」と辺りをウロウロするも避難場所すら把握できておらず、あまりの豪雨に大粒の雨が顔面直撃し続け危うく雨に溺れかけるという失態、聖地の洗礼を受けることになる。その後、雨具などを揃えて、如何にもフジロッカーな装備で挑む。山の天気舐めてました。。。

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何と言ってもボブ・ディランだった。定刻よりも4~5分早く登場。大歓声とどよめきが苗場に響き渡る。そして、気になるセットリストは「風に吹かれて」「くよくよするな」といった名曲中の名曲を連投する。ワンマン以上に。彼がどんなパフォーマンスをするのか誰にも予想が付かず全くの未知数だった。付け焼刃にベスト盤を買って予習しても何にも役に立たず、もしかしたら、自分の曲すらやらずに往年のジャズやブルースの名曲のカヴァーだけやる可能性だってあるとさえ言われたくらいだ。しかし、ディランは確実にフェスであることを意識してくれていた。そこに感動を覚える。
少し強めの涼しい風が吹く夕暮れ、大自然の中とディランの声という相反する二者の共生という環境が、ある種の神秘性を生んでいたようにも感じる。フォークからロック、ブルースまで濃厚な多ジャンルを披露しながら、ピアノを弾きまくり、時おり観客席を眺めてはニコリとしたのが印象的だった。演奏が終わると、ステージ中央で無言で仁王立ちし去って行った御大の姿に痺れた。

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ディランの前に出演したのはジャック・ジョンソン。フジロックのメインステージをアコギ一本で魅了できるのは彼しかいないだろう。彼の歌声と大自然の空気感が、この上ない調和を見せ、フェスならではの多幸感と、フジロック独特の心地良さ・解放感、夏の到来を感じさせた。
アンダーソン・パークが始まるや否や不安定だった天候が一気に晴れて、ヒップホップやクラブ・ミュージックの粋なグルーヴに何万人が揺れ、正に大盛り上がりだった。元はドラマーとはいえ、終始ドラムを叩きまくっていた。無敵なバイブスとファンキーさの高揚感が何よりも楽しかった。
終盤に登場したVAMPIRE WEEKENDはどこか文化系的というか、良い意味でのダサさが今時の子って感じがしてたのだが、祝祭的な楽曲がフェスに相応しく、フジロックの成功を皆で祝福している気風を高めるような光景が印象的だった。ぱっと出の、勢いある楽曲が多かった1st、2ndの曲が多かったのが良かった、また新作を作って戻ってくると宣言したのが嬉しかった。

日本勢も頑張っていた。suchmosのように大衆よりも自身のスタイルを重視するバンドは、他のどのバンドよりもフジロックに最も似合うと感じた。僅か2年程前までは知名度は無いに等しかったが、この短期間でフジロックのメインステージを堂々と務めるという凄まじい成長ぶりに驚かせられる。代表曲「STAY TUNE」「MINT」「808」を排除するという挑戦的なステージ。これには賛否があるようだが(批判的な意見も理解できるが)、「WIPER」ではビートルズの「Come together」を挟むという粋なアレンジもするように彼らは自分たちがしたいようにやるだけで、“何かに縛られて生きていくのではなく、やりたいことをやるだけ”というスタンスが垣間見れて嬉しい。最近では、お洒落バンドの筆頭みたいな扱いになってるけど、彼らほど人間臭いバンドはいないのかもと思った。

日本にフェスという文化を根付かせたパイオニアでもあるフジロックだが、この日のディランや、前日・前々日のケンドリック・ラマー、ファレル・ウィリアムス(N.E.R.D)、ポスト・マローンという現代を象徴するアーティストを集結させたことで、フェスとして高みに到達した感のあるラインナップだった。
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(文・ROCKinNET.com編集部)
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