ライブレポート

13年ぶりロッキンに出演したサザンが凄かった!ROCK IN JAPAN史上最大に盛り上がったサザンのパフォーマンスを振り返る!桑田佳祐リベンジ成功?

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サザンオールスターズ、ロッキン実に13年ぶりの登場であった。
圧倒的完勝であった! まさに別格! 桁の違いを見せつけられた。
個人的な話になるが、ロッキンは2005年から連続で14年間、来続けているが歴代No.1と位置付けてもいい。
そのくらいのパフォーマンスだったと思うし、それに呼応する観客の一体感や盛り上がりも凄まじかった。ワンマンの動員がロッキンの動員を超えるようなサザンは滅多にフェスには出ない。だから、サザンにとってフェスという環境はアウェイに違いないが、そんな環境で、何故サザンって凄いのか? 何故サザンは国民的と言われるのか? それを目の前で証明された気がする。

サザン40周年唯一の野外ライヴがロッキンだった!

だんだんサザンのワンマン野外公演が少なくなっていく中で、このステージはあまりに貴重である。40周年の記念すべき年に唯一行われる野外ライヴが、このロッキンである。しかし、アウェイな環境だからこそ祝祭的なムードもさほどなく、いつも通りのサザンを見せただけなのに、あまりに存在が巨大だった。昨年のソロでの出場の際はマイナーな選曲で聴衆に響かなかったこともあってか、この日の選曲はサザンの王道であり最強だった。

昨年ソロの失敗?を遥かに挽回する神セトリ!

実は昨年2017年にソロで出場した後、各メディアで桑田は「選曲を失敗した」と反省行脚していた
しかし、今回は違った。名曲の数々が遠慮なしに連投される。しょっぱなから、NHKホールの40周年記念ライヴではやらなかった、「希望の轍」でいきなり登場し、ロッキンというフェス会場をサザン・ワールドに塗り替えたかと思えば「いとしのエリー」「涙のキッス」と、世代関係なく、特に若い世代には生まれつきDNAに刷り込まれているのではないかってレベルの国民級のヒット曲を序盤から連投! 贅沢過ぎる至福な時間が過ぎていく。

しかし、「せつない胸に風が吹いてた」「My Foreplay Music」などコアな選曲も忘れない。何でも有名曲ばかりをやればいいなんて単細胞な発想をもとに選曲しない、緩急の付け方が絶妙で、こういう見せ方が出来る先見性が流石である。(主催者側はユーミンに「誰もが知ってる曲を多くやれば皆喜ぶ」と言ったらしいが、ユーミンも少しは脱線させようと思うと言っている)。
また、新曲「闘う戦士たちへ愛をこめて」「壮年JUMP」もライヴ中に映え、しっかりと大衆に認知されているところが唯一無二な大衆バンドであるサザンの凄味である。
「愛の言霊~Spiritual Message~」「真夏の果実」と夏を彩る往年の名曲に心奪われ、「東京VICTORY」で会場中が拳を突き上げ一体感が生まれ、続く「HOTEL PACIFIC」や、変態仮面が大勢登場した「マンピーのG★SPOT」でブチ上がる。

セットリスト
M1 希望の轍
M2 いとしのエリー
M3 涙のキッス
M4 せつない胸に風が吹いてた
M5 栄光の男
M6 My Foreplay Music
M7 愛の言霊~Spiritual Message?~
M8 闘う戦士(もの)たちへ愛を込めて
M9 真夏の果実
M10 LOVE AFFAIR~秘密のデート~
M11 壮年JUMP
M12 東京VICTORY
M13 ミス・ブランニュー・デイ(MISS BRAND-NEW DAY)
M14 HOTEL PACIFIC
M15 マンピーのG★SPOT
EN1 みんなのうた
EN2 勝手にシンドバッド

今回のロッキンのステージで垣間見れた桑田の現役感

「マンピーのG★SPOT」では“渋谷陽一出て来いや”と書かれたヅラを被って、変態仮面に扮した男性ダンサーと共に登場。大股広げられ股間に“みんなありがとう”と書かれた逆さ扇を翳される。こういう大御所染みないところがサザンの真骨頂だし、これが許されるのは「桑田佳祐=エロ」のイメージが国民的意識化されているから。凄いことである。同じことを若手がやると単なる悪ふざけや茶番にしか見えなくなる。2015年の全国ツアーではお決まりのヅラを被らない等、桑田は、時折マンネリ疲れを口にするが、マンネリでいい。やっぱ、いつまでもハゲヅラ被って、振り切ってる感が逆に爽快だ。
アンコールでは、ロッキンジャパンが来年20周年である祝福をした歌詞のOVERTUNEから「みんなのうた」に雪崩れ込み、巨大なホース三本で客席に大放水! 続いてサンバ隊も登場した「勝手にシンドバッド」で会場は興奮の坩堝。完璧なサザンモード。
個人的には「みんなのうた」の際に、「もっと来んかい!」と客を煽りまくった桑田の攻撃性が久々に見れたのが本当に嬉しかった。アウェイだからこそか、近年比較的丸くなりつつあった桑田佳祐のテンションも高めだった。この人の真骨頂は攻撃性にある。加齢と共にそれが少なくなってきている感じがしたのが物悲しかったが、まだまだ桑田は衰え知らずだ!

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他の出場バンドマンからの絶賛コメントも

サザンファン以外の観客の反応は?

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野村周平もロッキンに参上!

映画『茅ヶ崎物語』で若き日の桑田を演じたこともあり、事務所の後輩でもある野村周平もサザンを見にロッキンに来ていたらしい。

 

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先輩観させていただきます。夏最高。すごく興奮してる

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桑田本人はロッキンのステージをどう思った?

ロッキンでのパフォーマンスが行われたのが8月12日。その翌週の週末の桑田自身が司会を務めるラジオ番組「やさしい夜遊び」で今回のフェス出演に関して感想を述べている。

先日のロッキンジャパンで大トリでやらせて頂いたんですけど、公式発表は69,000人だと言ってますが実際は4,000人くらいしかいなかったんですけど。スッカスカでね(笑)ヘンピな地なんて言って、ごめんなさいね。200組の出演者の皆様もお疲れ様でした。サザンの出番前で他の人の見たくなってさ、横から葦簀が立てられてて見れる所があって、ちょっと見てたらSuperflyがやっててね。志帆さんだっけ? 綺麗でね、歌が本当にお上手でさ~、品があっていいじゃない。俺、好きだからさ、見てたんだけど、正直Superflyがサザンの前にやってくれて良かったと思ってるんですよ。けど、本番の時に「Superflyの後だけは辞めてくれって頼んだのに」って言ったんだけど、そういう意味ですよ。可愛くて歌上手い志帆ちゃんの後に薄汚いのが出ていくわけで。若干ウケたから良かったけど。
前日にゲネプロってやったんですよ。いろいろ確認するためにね。モニターの確認とか全然本番になると意味なくてさ、お客さんの圧でね。そのくらい凄いの、ロッキンオンジャパンって。お客さんが。渋谷陽一さんって、ロッキンオンジャパンの社長に会ったら「凄いね~」なんつって、あ? ごめんなさい、ロックインジャパン? ロックインジャパンという雑誌の社長でしょ?(スタッフが「会社の名前がロッキンオンで、フェスがロッキンジャパンです」)そうか、そうか。で、下の階にあるのがアミューズ(桑田の所属事務所)で、渋谷のインフォスタワーの(笑)その渋谷陽一がさ、「凄いね~、なに? あたまの二曲。勝ちにいってるね」って言うんだよ、「いやいや勝ち負けじゃないでしょ」って言ったんだけどさ。その後にブログに「完全に勝ちに、勝負に出てるサザン」なんて書きやがって、ハードル上がっちゃって、やり難くてしょうがなかったよ、ったく。けど、まぁ渋谷さん、ありがとうございます。小柳さん、ありがとうございます。
(中略)メール読みましょうか?“舞台から見た景色はどうでしたか?”いや、もう、壮観というと普通だけどさ。久しぶりにお客さんの喜び、興奮とか高まりがドンピシャで感じられたっていうかね。そんな人生、40年もやってて、あんな大勢のオーディエンスの前でやるって無い、なんか、いろんな力が働いてたんだろうなって思います。ありがとうございます。
アーティストエリアっていうのがあってね、そこでSuperflyの志帆さんと会ってね、ちょっと緊張しちゃいましたけど、良かったな~。あと、野村周平は来るし、俺の楽屋に。『茅ヶ崎物語』で俺の役やってくれてさ。全然、顔違うのに。肩組んで写真撮ったらさ、ものの2~3分でブログかなんかに上げやがって。別にいいんだけど(笑)嬉しかったけどね。良い奴だったね。
(中略)「せつない胸に風が吹いてた」とか「栄光の男」とか大ヒット曲でもないし、地味っつちゃ~地味じゃない? なんだけど、ちょっとやってみました。「My Foreplay Music」って僕好きなんだけど、当時ビリー・ジョエルが好きで、81年だったかな~、これ、なんか、ロックインジャパンという総合格闘技のリングの上でやるプロレスみたいな気がしてね、僕は僕なりに快感だったんですよ。
(今年のワンマンでやらなかった)「希望の轍」を一曲目でやった経緯? もうね。「希望の轍」とっといたんだよ、この日の為に。だから、とにかく去年ね、俺も12年ぶりにソロで出たんですよ。で、12年前はね、もう少し薄暗かったというか、ロック蔵の佇まいみたいな雰囲気があってね、「ロックだろ?Johnny B. Goode だろ?」みたいな。少し重ための選曲をしていったんですよ。けど、やっててね、ど~も、違和感があって。やっぱ12年も経つとさ、やっぱロッキンオンジャパン、渋谷陽一さんも、いい意味でよ? 芸能界とかSNSとか味方につけたのか、やっぱりね、エンターテイメントの総本山みたいになってたんだよ、だから、渋いことやってらんねえなって。もう、俺も一年考えてたんだ! 今度、サザンで出たら無茶やってやろうって。絶対に放水もやってやろう、変なヅラも被ってやろう、男性のダンサーには乳首に洗濯バサミ挟ませようとか(笑)そこまでは思ってないか(笑)絶対に一曲目は、き、希望の轍、や、やってやるんだ、って気持ちでいたんですよ。それまでのライヴでも「希望の轍」は封印して「茅ヶ崎に背を向けて」をやっててね。でも、良かったぁ~、みんな喜んでくれて。俺ね、放水をやってもいいのかなって疑問になった時に、やりましょうって言ったのは、うちのスタッフの木村って奴ですので(笑)
(この後、ポールマッカートニーの話になる)
2018/08/18 TOKYO-FM「やさしい夜遊び」より
※一部字数の都合上、ニュアンスだけ合せている部分があります。一字一句正確ではありません。

桑田自身も手応えを感じたようだ。何よりである。なんせ、桑田もずっと言っているが、昨年ね、12年ぶりにロッキンに桑田が出ると聞いて色めきだって行ったはいいけど、確かにマイナーな曲が多くて、ファンとしては楽しめたにせよ、同伴した知人にも「期待してたほどには・・・」なんて言われる始末で、会場中の若者たちにも桑田佳祐の良さみたいなものが全然伝わってなかったのが肌で伝わってきて、相当に悔しさみたいなものもあった。けど、やっぱり、趣味の押し付けでは決してないけど、本来の桑田佳祐は違うんだよっていうのも、実際にパフォーマンスで示さなきゃ分からないことなわけで。だから、いつかロッキンでぶちかましてくれないかなと思ってたのが、こんなにも早くに、こんなにも凄い形で、しかも、いい結果に終わったことは、まさしくリベンジじゃないけど、良かったなと思ったわけでありますよ。

ただ、今回観てて思ったのは、サザンっていうのは、やっぱりライヴ映えするバンドなんだなってこと。もうね、大御所とは言えども、出し惜しみしてる場合じゃないなと。だって、次にロッキンでも何でも、フェスに出るってなって、十何年後だと、桑田さんも70歳越してるでしょ? ポール・マッカートニーにせよ、ストーンズにせよ、加山雄三にせよね、現役バリバリでやってるけどさ、“次は無いのかも”みたいなペースじゃ、惜し過ぎるでしょ。こんなにも需要がある限りは。だから、もう十何年後じゃなくてね、どんどん出るべきですよ、ロッキン。

桑田さん、また、ひたちなかで待ってますよ!!!

(文・ROCKinNET.com編集部)
※無断転載・再交付は固く禁ずる。引用の際はURLとサイト名の記述必須。

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