邦楽

実は失敗していたサザンの紅白!ユーミンとの奇跡の共演に助けられ拍手喝采!

第69回紅白歌合戦 2018/12/31OAキャプチャ


もう20年近く酷評が続いていた昨年末2018年の紅白歌合戦に久々の賞賛の嵐が吹き荒れている。今年を代表するヒット曲であるDA PUMP「USA」や、緊急サプライズで出演を果たした米津玄師「Lemon」のパフォーマンスも絶賛される一方で、西日本豪雨等の災害の激励の意味合いを込めて出場した北島三郎の復活など話題に事欠かなかった紅白だが、最後の最後で全ての話題をかっさらっていったのが35年ぶりにNHKホールでの出場を果たしたサザンであった。発表時は、大トリを任せることに懐疑的だったり、特別枠の意義を問う声、後出し発表の特殊さの批判などがあったが、そういったネガティブな評判も一気に吹き飛んだ。歌手別視聴率でも45.3%でトップを記録(米津玄師は次点で44.6%)。平成初期の名曲「希望の轍」と、40年前のデビュー曲「勝手にシンドバッド」の二曲を披露したサザン。懐古主義を嫌い、新曲に固執する桑田にしては意外な選曲だった。

実はトラブルが起きていた「勝手にシンドバッド」

まず最初に「希望の轍」を披露。歌唱前に桑田佳祐は珍しく「緊張している」と言及していたが、同曲の二回目のサビ前のBメロ「愛されるたびに羽ばたくようなBaby Love」でシャウトするのがお決まりであるのを、この日はしなかった。如何に桑田が紅白という場の空気感に緊張し、飲まれていたかを象徴するか窺い知れた。
そして、「勝手にシンドバッド」に雪崩れ込む。ライヴでは、もう何十年もお決まりのコール&レスポンスを披露。しかし、ここでトラブルが起きたことはファンでないと気付かなかっただろう。NHK側の音響との連携が取れていなかった。桑田のコールに対して、レスポンスは録音を流していたのだが、タイミングが、もうめちゃめちゃ!

桑田「オーイエイ!」
レス「オーイエイ!」⇒会場無反応。桑田は「あれ?」とイヤモニ確認。
桑田「オーイエエ!」
レス「オーイエエ!」⇒実際の音響は一番目の「オーイエイ!」がかかる
桑田「イエエエエイエ!」⇒桑田慌てて「オーイエエ!」と軌道修正
レス「イエエエエイエ!」⇒「オーイエエ!」になっていることからレスは録音流すと察する。
桑田「オーイエイ!」
レス「オーイエイ!」
桑田「イエエエエ~イエ!」⇒ロッキンと同じ音声版がかかる。コールなのかレスなのかもはや混乱。
レス「イエエエエ~イエ!」⇒とにかく会場は気付かず盛り上がる。

ここで桑田は吹っ切れたように見えた。間奏前の「Music , come on back to me , yeah!」でも、カメラをグイグイこねくり回したり、顔面ドアップに近付いたりと本来の桑田の姿に近しい物があった。本来のワンマンライヴではもっと激しいけど。ただ、そんなノリノリな桑田の姿もカメラ前をウロウロしているように見えた。NHK側のスイッチャ―がサザンの速度に追いついてない感じだった。お得意のマイクを股間に見たてるパフォーマンスなどもしているように見えた。が、カメラマンが上手い具合に映さないようにしていたのだけがファイン・プレーだったかも(笑)

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ユーミン奥から登場で奇跡的な共演!

このように、NHK側のケアレスミスがあったことで、逆に桑田の闘争心に火が付いたと言えよう。そして、何よりもユーミンが奥からやって来て(aikoが誘ったように見えた)、桑田の頬にキス。そのまま、桑田の隣で踊り歌い、桑田佳祐と松任谷由実のテレビ史上4度目となる(近年ではあり得なかった)奇跡的な共演を果たす。

桑田佳祐とユーミンって何が凄いの?

言わずもがな、桑田とユーミンは、それまで演歌やフォーク歌謡曲しかなかった日本の音楽界に、西洋のエッセンスを取り入れ、J-POPの礎を築き大衆に認知させた最大の功労者である。当時それらはニューミュージックと呼ばれ、今ではJ-POPとかJ-ROCK(邦楽ロック・ロキノン系なんてのも系譜として遡れば該当しよう)と定着している。彼ら2人がいなかったら、今のJ-POPはないと言っても過言ではない。正に紅白史上最大の事件であり、日本音楽史における奇跡であった。


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野球経験者に、王・長嶋を悪く言う人間がいないように、サッカー経験者に、三浦カズや中田英寿を悪く言う人間がいないように、桑田とユーミンを悪く言うような人間は決して世代に関係することなく音楽を聴く資格なしと言ってもいい、そのくらいの貢献度で革新的で偉人であることは、後方で、ゆずの北川が涙し、aikoが飛び跳ねて喜び、MISIAが驚愕していたことに全て集約できていると思う。

実は昭和よりも平成で輝いたサザンとユーミン

中には「平成最後の紅白を昭和のサザンとユーミンに持っていかれた」なんて野暮ったらしい意見もあったようだが、実はサザンもユーミンも売上実績と言う点においては昭和ではなく平成がキャリア最盛期であるのだ。古い物を何でも昭和と片付ける悪い風潮があるが、事実関係として強いて指摘するならば、サザンもユーミンも自身のキャリアで最も輝いていたのは平成であることを勘違いしてはいけない。
むろん、今後も輝き続けるミュージシャンであることは言わずもがななのだが、サザンなんかは最盛期を何度も繰り返して今に至っているわけだ。平成の初期に「真夏の果実」や「涙のキッス」や「あなただけを~Summer Heartbreak〜」で一世を風靡し、平成中期でも「愛の言霊〜Spiritual Message〜」や「TSUNAMI」と特大ヒットを飛ばし、後期は「東京VICTORY」「蛍」などの名曲を世に送るように。ユーミンも「真夏の世の夢」「Hello,my friend」「春よ、来い」で平成中期を彩り、ジブリ映画の主題歌に起用されながら時代を超えて楽曲が愛されて続けている。そもそも、元号でアーティストを区切るような発想自体が愚かに思えるが、本物のミュージシャンは元号とか時代に関係ない、普遍的な凄味を証明したサザンとユーミンに拍手である。

サザンが国民的で千両役者である証明をした

この大団円が実現したのは、決してサザンが大物だからと言うことではないと思う。桑田佳祐のタレント性や認知度、「勝手にシンドバッド」の楽曲力の成した奇跡だと思う。40年前に「目立ちたがり屋の芸人です」と出てきた、そのお調子者がそのまま齢を重ね、少し丸くなって謙虚になってNHKホールに戻ってきた。楽しくならない訳がない。そこにユーミンが加わったのだから尚更だ。「ウルトラソー!」でも「トゥモローネバーノウズ」でも相応の形になっただろうが、この異質なお祭り感はサザン、桑田でないと実現は出来なかった気がする。

遂に本格的に動き出すサザン40周年

出典:@sasfannet

その十数分後のネットニュースや元旦の朝刊(二面)にサザン40周年の全国ツアーの告知が大々的にされた。6大ドームを含むサザン史上最大規模のツアーとなる。昨年の2018年6月25日サザンファン全員が大コケし絶望してから半年、ようやく待ちに待ったツアー告知である。ロッキンや、今回の紅白で素晴らしいキックオフが出来たように感じる。逆にニワカファンが増えることだけ危惧されるが。2015年の曲解の件があったことで心配されていたサザンの紅白出演は、ユーミンに助けられながらも大評判で幕を閉じた。いよいよ、本腰入れて、エンジンフルスロットルでサザン40周年を楽しむ時が来たようだ。

(文・ROCKinNET.com編集部)
※無断転載・再交付は固く禁ずる。引用の際はURLとサイト名の記述必須。

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