グラミー賞

【テイラー、エドまで】黒人優位なのに今年もグラミー賞をボイコットする歌手続出!

© 2017 Recording Academy.



散々、白人贔屓と揶揄され続けてきたグラミーではあるが。昨年末に発表されたノミネートを見て、主要部門に黒人アーティストが大半を占めていたことに世界中が驚いたわけだが、ここに来て、大物白人アーティストによる同賞のボイコット宣言がされて話題となっている。

まずは、テイラー・スイフトである。過去に最優秀アルバム賞を獲得した『Taylor Swift』『1989』と聴き劣る部分も、ぶっちゃけたところ感じる、最新作『Reputation』は発売期間の関係上、今回の候補の対象外となる。ただ、既にシングル化されている楽曲「Look What You Made Me Do」が候補対象にも関わらず、「最優秀楽曲」に入ってもおかしくなかったが、ノミネートされなかったことへの不満だとも言われている。今回は、元ワン・ダイレクションのゼインとのコラボ楽曲「I don’t wanna live foever」で、2部門の候補になっているだけなので、自分に注目が集まらないことは定かなので、そのための欠席とは思われる。


続いて、先日1/22に婚約を発表したばかりのエド・シーランも欠席するという。リードシングル2曲が3週連続で全英1、2位を独占するなど、2017年の英国音楽シーンを席巻した最新アルバム『÷(ディバイド)』では、なんと「最優秀ポップ・ボーカル・アルバム賞」など、2部門にしかノミネートされていない。主催者側が「白人贔屓だ」との非難を危惧し、エドの作品を“敢えて”主要部門へノミネートさせなかったという噂に対する抗議とも言われている。


そして、意外なのがロードである。最新アルバム『メロドラマ』はグラミーに限らずとも主要媒体で2017年のベスト・アルバムに選出されている傑作で、実際に「最優秀アルバム賞」にもノミネート。この部門に、唯一の白人として、唯一の女性としてノミネートされるも、パフォーマンスの声がかからなかった。このことにスタッフをはじめ周囲が激怒し、賞そのものをスキップするのではないかという噂も流れている。ちなみに、同作品は、ケンドリック・ラマーの『DAMN』と評価を二分しており、十分に「最優秀アルバム賞」を獲得する可能性も大きいのだが・・・・・・

やはり影響は大きかった!
昨年のビヨンセの傑作『Lemonade』最優秀アルバム賞落選!


そもそも、数年前からカニエ・ウエストやフランク・オーシャンらが中心となって黒人音楽が優遇されていない事実を憂う発言が多かったことから、グラミーにおける黒人アーティストの不遇が注目されるようにはなったが(2016年の最優秀アルバム賞がベックでカニエが壇上に登る騒動も起こした)、決定打は、やはり昨年2017年の最優秀アルバムが傑作の呼び声高かったビヨンセの『Lemonade』ではなく、アデルの『25』になったことだった。アデルの作品が悪いとは言うつもりはないが、明らかにビヨンセの方が獲るべきだった。受賞したアデルは、壇上から「受賞すべきは自分ではない」と言ったうえで、彼女を賞賛し、世界中の感動を得た。 しかし、その後、NYタイムズ誌が「『白すぎる』グラミー賞が現実となった日」と評するなど各主要メディアを中心に、白人贔屓のグラミーに批判や非難が集中した。今回の黒人偏向のノミネートも、これを受けているのは間違いないだろう。

結局「人種偏向」では解決しない

黒人優位の2018年のグラミーはこのように白人の大物アーティストが黒人偏向に抗議してボイコットが起こっている。白人贔屓だった昨年、カニエや、ドレイク、ジャスティン・ビーバーがボイコットしたように。これらのボイコットを見ていると、協会のこれら人種間の摩擦の解決方法が、白か黒かの人種に偏向させればいいという“見え見え”な幼稚な策で呆れる。白人贔屓だと言われれば、黒人を優先する・・・・・・果たして純粋な音楽的な評価と言えようか? 求められているのは、音楽的な公平さ。グラミーも投票なのだから会員の人種比率を変更すればいいだけのことである。あまりに投票権を持つ会員が白人に比重が傾いている。




最も危惧すべきは、最高権威である「最優秀アルバム賞」にノミネートされ、獲得する可能性も大きいとされるロードがボイコットするということで、こういう現象が続けば、グラミー自体の権威の没落を予期させる。グラミーは大衆的な支持ではない、その作品自体の音楽性に評価を与えることによって、その権威を守ってきた。その権威が揺らいでいる。日本レコード大賞に真の実力者が出ないような、由々しき事態が起こってるのだ。

大胆予想!今年のグラミーはこうなる!


それでもグラミーは最優秀アルバム賞をロードに獲らせ、カニエ辺りが舞台でわめき散らすだろうと思っていたが、ロードが賞に出席しない、賞自体をスキップする可能性もあるので、“ケンドリック・ラマー祭り”になるのではないかと個人的には予測している。これで、グラミーにも新時代が到来したのだと、会場中が拍手喝采で終わるのではないかと。

●最優秀レコード賞(シングル曲そのものに贈られる)
ケンドリック・ラマー「Humble.」

●最優秀アルバム賞
ケンドリック・ラマー『DAMN.』

●最優秀楽曲賞(作詞作曲した人に贈られる)
ロジック feat.アレッシア・カーラ&カリード「1-800-273-8255」

●最優秀新人賞
アレッシア・カーラ

(文・川鍋良章)
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