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原爆シャツ騒動でMステ出演中止になったBTSが犯した罪とは?

© 2018 UNIVERSAL MUSIC LLC.

BTS(防弾少年団)が様々な騒動に揺れている。
騒動を知った時に思ったのは「幻滅」しかなかった。特段ファンでもないので「裏切られた感」はなかったが、大成功した彼らの現象を肯定的に見ていた分、世界で成功を収めたアーティストとしての無自覚性に幻滅したとしか言えない。
BTSと言えば、米ビルボードで1位を獲得するという偉業を達成し、国連でスピーチしたり、TIMES誌の表紙を飾り「次世代を担うリーダー」と紹介されるなど、アジア圏のアイドルが成し遂げたには、あまりに夢物語とも言うべき驚異的な実績を残したわけである。世界中に多くのファンを有し、まさしくワン・ダイレクションの如き成功を収めたといって過言ではなかった。

騒動のきっかけはジミンが着た原爆シャツ!


そんな中にも関わらず、ジミンというメンバーが原爆投下後のきのこ雲の写真と、韓国の独立を意図する英単語が並べられたデザインのシャツを着たことで日本国内を中心に騒動になり、遂にはMステ出演をテレ朝側から取りやめ、紅白など年末に向けて多くなる音楽番組の出演も白紙になった。世界で唯一の被爆国としては当然の処置だと思う。
また、間もなくして、リーダーであるRMがナチス親衛隊と同様のマークがあしらわれた帽子を着用したことで、米ユダヤ人団体SWCが抗議を表明。その他、先月のハロウィンの際にもジェイホープが強制収容所の囚人服を着て囚人番号を手に持ったり、2015年と少し前にはなるがRMとシュガがホロコースト記念碑の前で写真を撮ったり(追悼の意を微塵も感じない写真)と、何かと問題が多いことが徐々に明らかになってきている。

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最大の疑問!ナゼ周囲の誰も注意できなかったのか?

個人的にこの騒動で解せないのは、彼らがどういう意図でこのような行動に出ているのかということと、周囲のマネージメント関係者など多くの取り巻きのうちの誰か数名でも止めなかったのかということだ。おそらく、彼らは無意識のファッションとしてやったんだと思う。事の重大さが理解できていなかったのか。世界的なアーティストと考えればあまりに浅はかな行動である。けど、それを管理する大人が一人もいなかったのかと思うと、いよいよ品位の低さを疑ってしまう。
加えて、謝罪でも弁明でも何でもいいが対応が遅かった。黙って見過ごせる問題じゃないにも関わらず、公式にコメントが出たのが、Mステ出演中止が決定してようやくという印象が強い。ただ、騒動に対して心配をかけたという発言に留まり、明確な謝罪はなかったというから、相応の意図を感じずにはいられない。中立的な立場から言えば、謝罪をするかしないかは、ここでは大きく問わないでおく。謝罪に追い込めば何でも解決という風潮があるが、それもどうかと思ってて、根本的な原因である彼の意図が知りたい。反日なら日本に無理して来ることもしなくていいだろう、そういう意図が無いなら受け入れる度量は日本にはある。意図が知りたかった。

原爆被害者には10万人の朝鮮人も含まれている
非核化を目指す世界に逆行している自覚の無さが問題!

この手の問題となると反日とか嫌韓の右左議論が巻き起こるのだが、それは避けたい。要は、筆者にとってそんなことどうでもいい。客観的に意見を言えば、世界的に成功し影響力も絶大であるアーティストとしての自覚が無さ過ぎるに尽きる。恥ずべきことだ。ワン・ダイレクションはこういうことはしないように。
自分がそういったファッションを身に纏うことで世界にどう見られるのか? それを人一倍気に掛けなければならない立場なのだ。欧米人に言わせても「被爆者を馬鹿にしてる」「原爆は人類の悲劇だ」と唖然とした意見も多かったくらいなのだから。


騒動の渦中で当サイトの公式Twitterに批判的な意見を載せたら、おそらくARMY(BTSのファン)から“「光復節」というのを知らないのか?”という否定的なコメントが届いた。呆れてものが言えなかった。要は韓国の独立記念のような祝日なんだろうけど、そういう問題じゃない。

世界が非核化を目指して動いている中で原爆シャツを着る行為というのは人類史と逆行していると思うし、そもそも被爆者の中には広島で7万人、長崎で2万人の朝鮮人の被害者もいて、日本だけでなく自国の被害者をも冒涜していることに成る、歴史的認識が低いことを露呈しているようなものだ。また、仮に百歩譲って彼に反日意識があるとしても、それが正義と思っているならば、世界的なアーティストとしてはもっと客観的なワールドワイドな視点を持ち、責任のある行動を取るべきだ。何故なら、ドームツアーが出来るほどのファンがここ日本にもいるからだ。ファンは彼らを擁護するだろうが、そんな熱烈なファンの祖国を侮辱する行為はスマートとは言い難いっしょ?

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巷のサイトはメンバーの名前も興味の無い批判だけしたいサイト

© Big Hit Entertainment All Rights Reserved.

とにかく保守傾向にある昨今、この手の問題になれば鬼の首を取ったかのごとく、批判サイトが乱立する。しかし、大半の批判的なサイトは「BTSのうちの一人が」という表現に終始しているので、BTSに興味すら無く、ただ批判したいだけの姿勢がうかがえるものばかりのようだ。それでも結構だが、批判するには対象に対する最低限の知識は必要である。誰がやったのか、経緯はどういうものなのか。不毛な批判サイトに左右されてはいけない。
事実、この騒動があろうがあるまいが、tiktokでは彼らの今年のヒット曲「IDOL」で日本の若者たちは踊り、紅白に出ようが出まいが彼らの人気は衰え知らずで大規模な世界ツアーと凄まじい動員を誇るだろう。
ただ、被害意識というものがあって、どうも被害者である韓国はその立場を利用して要求が強いため、戦後永遠に賠償を続ける日本に対しても自分たちが優位で正しいという意識が働き、その結果の行く末に、日本に甚大な被害をもたらした原爆を祝福するような表現が生まれるというのはハッキリ言って愚かだ。日本人として以前に、世界平和を願う人類として、この意見は明確にしたい。

日本でも際どい表現はある

日本だって際どい表現をした事例はある。欅坂46がナチスの軍服のような衣装を着て謝罪したこともあった(対応の早さはBTS側は見習うべきだと思う)。アニメ「秘密結社 鷹の爪」の総統や、格闘イベント「ハッスル」の際の高田延彦の衣装がヒトラー的だったり。ハロウィンの度に番号書かれた囚人服着た若者が渋谷でワイワイしたり(横縞だけどなんて言わないでほしい、マギー司郎じゃあるまいし)。被害者当人からすれば不快な表現と言うのはいくらでもあって、BTSに限らずに日本でも世界中のどの国でも気を付けなければならないこともあるかも知れない。
自分が何かをパロディにして使用した際に、最初は悪いものという認識があったにも関わらず、それがさらにパロディになった時に悪く無いような認識になっていく、それを段階経ていく内に、悪いという認識なく意識してしまう連鎖が怖い。世界の一部では日本以上に原爆の恐ろしさに対する知識が浅く、原爆を他より大きい爆弾程度にしか思っていない人も多い。だからこそ、少なくなっている被爆者の方の経験談を語り継ぐことが重要だ。原爆シャツ見て何も感じなくなる方が恐ろしいからだ。


ただ、やはり影響力と言う点を考えれば、これだけの成功をせっかく手にしたんだから、下手すればアジア全体の芸能紙でも彼ら以上の規模で成功を収めることのできる者は出て来ないんじゃないかってレベルなわけだから残念だなとしみじみ思った。そして、今後の姿勢で彼らの意志を表現し日本や他国と対峙していってほしいと思う。

(文・ROCKinNET.com編集部)
※無断転載・再交付は固く禁ずる。引用の際はURLとサイト名の記述必須。

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