映画レビュー

【報道とは何か?】映画という名のワイドショーだった『フロントマン』

© 2018 Sony Pictures Digital Productions Inc. All rights reserved.


アメリカの大統領選は完全にエンターテイメントなんだなと思っている。相手陣営の何かしらの不祥事を探してテレビでバッシングの嵐。政策論争よりも娯楽戦争の末のイメージ戦略に勝った者が勝つ印象が拭えない。それもまた娯楽的だ。ジョン・F・ケネディの再来と言われたゲイリー・ハート上院議員は1988年の大統領選で民主党の最有力候補になるも、ちょっとしたゴシップにより、たった三週間で人気が転落し選挙を辞退する羽目になった。

社会派ドラマの様相を醸し出しているが、完全にワイドショーである。他人の不幸は蜜の味精神のワイドショーが昔から苦手で、と言うか有名人の下半身事情に全く興味が無くて、ちょっと前のベッキー騒動も無関心だった身としては、本当にどうでもいい話ではあるんだけど、やはり大統領候補ともあろう存在が如何にして転落したのかを知りたくて観たら、意外に映画に没頭してしまった自分が情けない。要は、ゴシップの娯楽性に群がる大衆心理が俺にも働いたってことなんでしょ。我ながら情けない。
けど、出来る男ほど女癖も悪いもんなんだよね。バイト時代よく見てたけど、社長と呼ばれる人の多くは愛人いるじゃん。それって、仕事が出来ることと、異性を惹きつけることの双方が、男性ホルモン量に関係してるって科学的に証明されてる。同時にハゲも多い。

[PR]


この映画でも何が悪いんだろうと思いながら観てて、結局は滑稽な話で、大事な時期にチャラけた女引っ掛けた議員が自業自得と言ってしまえばそれまでなんだけど、何十年と生きてきて叩いて埃のでない人間なんていないと思う。誰しも、オイタのひとつやふたつあるだろうと。加減はあるが。
ただ、この映画の場合、取り巻きのマネージメントの甘さがどうかと思ったんだよね。彼は元ハリウッド俳優のレーガン大統領の後任を決めるタイミング(国民にテレビが普及してきた頃)に出てきた訳で、大統領は見た目も重要になってきた。容姿端麗なヒュー・ジャックマンだから説得力あってハマリ役だった。そういう時代性で彼のような、男性ホルモンむんむんの仕事も出来るモテ男が大統領候補で且つ人気者になるのも宿命で、そう考えると、この映画で起きる一連の騒動も想定内、そこまで予想して彼を操れる切れ者が周囲にいなかったのが残念だったかなって。
そんなゴシップをジャーナリズムと謳って報道した新聞記者の報道陣としてのスピリットも情けなく。民主党がポピュリズム下手で過熱するマスコミに良いように煽られてしまうのは現代にも通じてるなと思った。

そもそも政策よりも人気者への投票化している民主主義国家を憂うべきなのかとか、政治家って選挙って何だろうか、報道とはどうあるべきなのか、鑑賞後に考えたくなる映画ではあった。

(文・ROCKinNET.com編集部)
※無断転載・再交付は固く禁ずる。引用の際はURLとサイト名の記述必須。

[PR]






[PR]

 

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

最新情報をお届けします

Twitter でROCKinNET.comをフォローしよう!

ピックアップ記事

  1. ワン・ダイレクションのソロ実績がビートルズに並ぶ!活動休止後の各メンバーの成績も…
  2. 安室奈美恵の引退ツアーを観る!世界中の賛美を彼女に贈りたい!
  3. 半漁人の勝利!90回目のオスカー発表!
  4. KEYTALKの八木氏はナゼ愛されるのか?その無敵な愛嬌の謎と八木氏のドラムテク…
  5. 【ヒットの勝算はネット戦略にあり?】恐怖のピエロ映画『IT』が公開第三週で興収首…

関連記事

  1. 映画レビュー

    『亜人』日本漫画の過激性という欠点をハリウッド的なアプローチで見事にカヴァー

    興味深かったのは、この映画には善悪が無かったことだ。不死身の体であ…

  2. 映画レビュー

    【映画鑑賞日記】ゴースト・イン・ザ・シェル

    囲碁の名人が人工知能に負けたというニュースを見て、人類はこのま…

  3. 映画レビュー

    【映画鑑賞日記】ぼくは明日、昨日のきみとデートする

    (C) 2016「ぼくは明日、昨日のきみとデートする」製作委員会…

  4. アカデミー賞

    『シェイプ・オブ・ウォーター』の成功の理由は異質との性描写で逃げなかったことにある!

    異物との性描写を逃げないからこそ究極の愛が描けた甘美で倒錯的な…

  5. 映画レビュー

    【映画鑑賞日記】マリアンヌ

    久々にハリウッド映画を堪能できた気がした。その理由は顔にあった。古…

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

[PR]

人気の記事

  1. 邦楽

    俺が勝手に選ぶ素晴らしい邦楽たちTOP10 2017
  2. ライブレポート

    COUNTDOWN JAPAN 1718 3日目ライヴレポート
  3. ハリウッド

    アベンジャーズ最新作がコナンに負けた?世界的な流行をも度外視する日本鎖国文化は奇…
  4. 音楽

    【徹底考察】ビルボード1位、米英人気過熱、国連演説・・・勢いが止まらないBTS(…
  5. 映画レビュー

    想定外のラストに衝撃!『アベンジャーズ/インフィニティー・ウォー』で初めてアメコ…
PAGE TOP