映画レビュー

曇天どころか荒天のつまらなさ!『曇天に笑う』ハリウッド的娯楽作を目指す本広監督にしては小振りの失敗作!

(C) 2018映画「曇天に笑う」製作委員会 (C) 唐々煙/マッグガーデン


つまらん!

このひと言で全てが片付けられる映画だった。本広監督で福士蒼汰主演と聞けば、相応に期待度は高まる。見事に裏切られた。漫画は読まない気質なので、原作は知らないけど、とにかく脚本が酷い。ただ、漫画原作を2時間にまとめる作業に終始しただけ。調べてみれば、この高橋悠也という脚本家は、仮面ライダーの映画を多く手掛けているようだ。彼が書いた仮面ライダーの映画を観たことがあるが、はっきり言って面白くなかった。ドラマが無いのだ。そこまで深く人物を描けていない。仮面ライダーさえ格好良ければいいという映画。子供もそれだけ観れれば気が済む程度なのだから良しとしていたが。この映画も正しく、それと同じ感覚で描かれている。福士蒼汰がカッコ良ければいいってだけ。

外務省の文書改ざんは外務大臣に責任があるように、映画の責任は監督の責任である。“適材適所”だと思って、脚本を任しただろうけど、明らかな人選ミスである。本広監督は、どこぞの外務大臣のように責任転嫁していないだろうけど、この映画が面白くないのは明白。むしろ、もっと才能のある誰かが脚本を改ざんした方が良かったんじゃないかと思うくらいで。興行収入ランキングで、まさかの11位の大コケ。映画に関わった福士蒼汰はじめ、俳優たちは自分の名前を消してもらいたいくらいだろう。

それと、ジャニーズは中途半端に絡まないでほしい。少年隊の東山の存在感よ! 癖が強いんじゃ~。若手俳優が勝てるわけがない。完全に画ヅラを持っていく。
それと、古川雄輝は凄いですね、やはり。アジア圏での人気も凄いのが分かる。中国版のTwitterでは日本人としては異例として100万人のフォロワーを抱えるとか。福士蒼汰と並んで引けを取らない。国際派の底力を感じたし、こういうマンガじゃなくて、もっと本域の演技を見てみたくなった。
福士蒼汰も改めて凄いと思った。こうして同世代の俳優の中で、やっぱ際立つ。例えば、市川知宏とか、小関裕太とか、桐山漣とか、身長もイケメン度合いも年齢も、福士と似通った俳優は、山ほどいるわけだ。彼らと比べても主演級のオーラがあるんだよな・・・・・・仮面ライダーで主演やって、翌年に、国民的ヒットの朝ドラ「あまちゃん」に抜擢されたりと、“持ってる”俳優ではあるけど、出演者の中には、仮面ライダー出身の俳優もいるし、朝ドラ経験俳優もいる。条件は同じなのに、スクリーン映えが他の俳優と違うんだよな。




本広監督は『亜人』が流石のクオリティで、邦画をハリウッド映画さながらのアクション映画に昇華させていたので、期待していただけに、残念極まりない。才能ある監督だけに本域で作ってほしかった。本広監督の実力は、この程度ではないのだから。「興行の失敗が私に関係していたということになれば、これはまさに、私は間違いなく映画監督も脚本家も辞めるということははっきりと申し上げておきたい。」と宣言させれば、もっと本気で作ったんじゃないかな。三池監督のような職業監督になるには勿体無い才能だから。

彼は『踊る大捜査線』の時から、常に意識しているのはハリウッドであった。大学時代に亀山元フジテレビ社長(『踊る~』のプロデューサー)の話を聞く機会があったのだが、本広監督との出会いを語った時に、音響の使い方からして、従来の邦画とは一線を画すもので、「こいつはハリウッド的な映画を撮りたいんだな」と思ったという、そして、こいつなら『踊る~』を面白く出来るかもと起用したと言っていたのを思い出す。

しかし、物語の中心でもある“オロチ”を出すのがハリウッドである。
出さないのが本作。所詮は邦画の枠に収まり切っただけでなく、思いっきり肩透かしを食らった印象。
なので、活劇としての醍醐味やスリルやスペクタクルもへったくれもない。イケメン俳優がワーワー叫びながら戦うだけで、仮面ライダーと何ら変わり映えしない、未曽有<みぞう>のテイタラクである。

(文・ROCKinNET.com編集部)
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