映画レビュー

『アベンジャーズ/エンドゲーム』 映画史に残る大傑作にして娯楽の頂点だ!

(C) Marvel Studios 2019

※注意※
この記事は『アベンジャーズ/エンドゲーム』の内容に触れており、ネタバレもされております。
未鑑賞の方で今後ご覧になる予定の方は当記事を読まれることを禁じさせていただきます。記事を見たことで内容を把握してしまうか否かはすべて読者様の自己責任とさせて頂きますこと予めご了承下さい。

映画史に残る大傑作でありながら、娯楽の頂点を観た気がした。
2008年から始まるMCUの総括をする本作を観るというのは、映画人生における、ある種の大きなエポックであり、映画鑑賞の域を超えた(まるで卒業式のような)節目の行事に近い感覚だ。そのくらいの歓喜と驚愕と感動を覚えている。これまでの12年間追い続けた自分のマーベル人生を肯定するかのような大団円に涙腺が何度も刺激された。鑑賞後、帰宅しても、しばらく眠りに付けなかったのは、余程のアドレナリンが出ていたからだろう。こんなことは初めてである。

昨年の『インフィニティ・ウォー』のラストに唖然としてから、サノスにリベンジするのを、どれだけ待ち望んできたか。指パッチンで人類の半分が消えた地球は想像以上に静かで、荒廃し、絶望的だった。東日本大震災直後の元気を無くした日本人の心境に近いものがあった。

実際にソー達はサノスへ復讐しようと異星に飛ぶが、そこにいたサノスは農園を営み、静かな暮らしをしており、あの凶悪な姿は無かった。彼にとって「人類半減」の目的を果たせた後の余生はどうでもいいのだ。しかし、いとも簡単に倒されるサノスに拍子抜けするも、同時に感じたのは消化不良。俺たちが待ってたのはこんな決着じゃない感だった。

トニー・スタークは絶望を受け入れ、目を背きながらも新しい人生を設計し、ソーはビール漬けで体型もメタボになり、キャプテンはサノスへの復讐の機会を探っていた。三者三様の生活を送っていたが、どれも覇気のあるものではなかった。彼らはヒーローであり、敗北は、自分たちの存在意義の否定でしかなかったからだ。

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鍵を握っていたのは意外にもアントマンだった。『アントマン&ワスプ』のラストで量子世界に閉じ込められ、そこから偶然にも舞い戻った彼が、量子世界でなら現代の物理の常識が通用せず、タイムワープ?出来ることを示唆。映画的醍醐味のある設定であるが、別の映画で伏線を張って、それを集大成作品で回収するフランチャイズ映画の見事なまでの構造には脱帽としか言いようがない。

© Marvel Studios 2018

で、過去に戻りサノスの陰謀を食い止めるため、例の石を回収する作戦が実行される。過去に舞い戻って描かれたのは、2012年の『アベンジャーズ』のクライマックス・シーンだったり、初期の『マイティ・ソー』だったりする。そこに現代のアベンジャーズが来て(過去の自分たちに気付かれないように)石の回収に悪戦苦闘するというアイディアは、MCUの歴史をさかのぼる思い出の旅でもある。総括的な作品だからこそ感慨深さも増す。同時に、この上ないファンサービスであり、観客が観たいだろうものを徹底的に観せるスタンスには歓喜しかない!

また、この過去を辿る旅は、アベンジャーズが自分たちがヒーロー足らしめる為の「自分が何故ヒーローである必要があるのか」を再発見するための再起の旅でもあった。悪い奴をぶっ飛ばすだけでなく、映画におけるヒーローの心情をここまで細部にまで拘って繊細に描くという例は他に類を見たことがない。彼らの弱みや悩みを知ることで、映画内の問題が観客にも共有されているようにも思える。それこそマーベルのヒーロー達が世界中から愛される由縁でもあろう。

しかし、サノスの娘でもあり、『ガーディアン・オブ・ギャラクシー』に出演していたネビュラの暴走によって過去のサノスに作戦がバレてしまうことで、現代にサノスが登場、『インフィニティ・ウォー』の復讐、世紀の大決闘が再開される。特に、アベンジャーズ御三家、アイアンマン、キャプテン、ソーとサノスの決闘シーンは、映画でありながら、まるで台本の無い格闘技を見ているかのような興奮を極め、手に汗握り、拳に力が入った。
しかし、サノスってのは改めて強い!

再び危機に陥る御三家だったが、そこに指パッチンで消えたかつての仲間が、お馴染みのアベンジャーズのテーマ曲をBGMに集結する。ヒーローの宿命を背負った者たちの勇敢な姿に鳥肌が立った。

悪の集団とヒーローたちの一騎打ちは、言葉では形容し難いほどのカタルシスを感じた。我々は、これが見たかったのだ。
絶妙な間で登場したキャプテン・マーベルの存在も大きい。そして、彼女も強い。力勝負でも互角で、サノスの頭突きすら効かないのだから。今後のマーベルを支えるに十分な存在と言えよう。

(C) Marvel Studios 2019

そして、アイアンマンの勇姿に痺れない者はいないだろう。自己犠牲の美学。ヒーローの典型にして鑑のような姿勢である。早くも来年のオスカー主演男優候補に相応しいのではないかという待望論が業界内外から上がっているらしい。それだけ、トニー・スタークが愛されていた証明であり、彼無くして壮大なMCUは存在しなかった敬意でもあろう。

アベンジャーズ万歳!ヒーローよ、永遠なれ!

鑑賞後に思ったのは「映画好きで良かった」。このひと言に尽きる。

(文・ROCKinNET.com編集部)
※無断転載・再交付は固く禁ずる。引用の際はURLとサイト名の記述必須。

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