映画レビュー

【映画鑑賞日記】インデペンデンス・デイ:リサージェンス

independenceday2(C) 2016 Twentieth Century Fox Film Corporation All Rights Reserved.

エメリッヒは過去の功績に自ら泥を塗ってしまったようだ。
まずは20年経って続編を作った理由が分からない。
例えば、宇宙人が進化してるとか、映像技術の進歩により20年前に表現できなかった戦闘シーンが描けているとか、そういう<進化>がない。ただ、UFOがデカくなってるだけ。
確かに、大都市が派手に壊される映像は、圧倒されることは圧倒されたんだけど、かえって嘘臭く見えてしまったのは、それを観て恐怖を感じることが出来なかったからだ。
例えば、劇中の登場人物が危機に見舞われたり、破壊されていく街の中で『2012』のように逃げ惑うなどのアクションも無いためか、前作よりも面白みに欠けている。
これまでの、どのエメリッヒ作品よりも圧倒的な画力を持った巨大UFOの侵略シーンでさえも、ただ<派手さ>が先行してるだけで、工夫がない。要は見せ方の問題、煽り方の問題だ。

前回は宇宙人自体もあまりハッキリとは見えなかった。
得体の知れない宇宙人への恐怖というものがある。見せない恐怖。
しかし、今回は宇宙人出まくり!それが逆に漫画的に感じてしまって・・・もちろん、そもそもがSF映画なんてジャンル自体が漫画ではあるが、コミックのような安っぽさを、個人的には感じてしまった。

そもそも大統領が戦闘機に乗って闘っちゃうような、<米国万歳>映画ではある。
続編を匂わせるラストではあったけど、それが<今度は逆に人間が宇宙人達を攻撃していく>というのは、いかにも米国の悪い側面が反映されているなと感じたし、本作はやけに中国に媚びへつらっていたのが印象的だが、米国・中国と戦勝国的な物事の発想というのだろうか、そういう侵略主義、横暴的な感じは賛同しかねる。娯楽として成立してればいいけど、この調子では心配だ・・・

 

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

最新情報をお届けします

Twitter でROCKinNET.comをフォローしよう!

ピックアップ記事

  1. 実写化史上最も成功していると言って過言でない『美女と野獣』に感動する
  2. 実は失敗していたサザンの紅白!ユーミンとの奇跡の共演に助けられ拍手喝采!
  3. 【追悼】アメコミ界の巨匠スタン・リー逝去~映画カメオ出演を振り返る~
  4. 世界で大ヒット中の映画『スパイダーマン:ホームカミング』の主人公トム・ホランドの…
  5. 遂にNYタイムズ誌まで?ガキ使の黒塗りメイク批判は行き過ぎだと思う理由!

関連記事

  1. 映画レビュー

    『いぬやしき』加齢のギャップを活かせず、憲さんよりも佐藤健がカッコ良いのが最大の失敗!

    空中戦の映像は見事でした。昨今の邦画では最高クラスじゃないかと…

  2. 映画レビュー

    実写版『アラジン』賞賛する言葉が多過ぎて的確な表現探すのが大変なほど名作!

    この映画を賞賛したい言葉が多過ぎて的確な表現を見つけるのに大変…

  3. 映画レビュー

    『記憶にございません』風刺も思想もほどほどに抑えて大衆喜劇として見事に成功!

    風刺を許さぬ現代に三谷幸喜の才が冴え渡る!特に今のご時世、音楽…

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

人気の記事

  1. ハリウッド

    SW史上最大の被害者?ダース・モールその悲劇の人生を徹底解析!
  2. ライブレポート

    ロック・イン・ジャパン2017 2日目ライヴレポート
  3. 音楽

    ジャスティン・ビーバー新曲のスペイン語が歌えず大ヒンシュクからのブーム化
  4. テレビ・芸能人

    テレ朝スーパー戦隊の放送時間変更の暴挙は吉と出るか?
  5. 邦楽

    松任谷由実「恋人がサンタクロース」がクリスマスは恋人と過ごす日という社会的呪縛を…
PAGE TOP